2024年8月12日月曜日

塩を人間は摂り続けてきた。どうしてきたのか。藻塩焼き、揚浜式塩田製塩。

 塩って人間に必要なもの。

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塩って、人間にとってなくてはならないものだよね。でも、なんでそんなに大事なのかって話? まぁ、聞いて驚かないでよ。人間の体、実は海水みたいなものなの。体内には約0.9%の塩分が含まれているんだって。体重60kgの人なら、それって約306gもの塩が体内にあるってこと。すごいでしょ?

塩分はね、新陳代謝を助けたり、筋肉や骨、血液を作ったりするのに必要なの。だから、塩分が不足すると、体調不良や痙攣、最悪の場合は死に至ることもあるんだよ。江戸時代には「塩抜きの刑」っていうのがあったくらいだから、その重要性がわかるでしょ?

でもね、塩分の摂り過ぎも問題なの。高血圧や心疾患のリスクが上がるから、バランスが大事なの。人間の体は賢いから、普通は自然にバランスを取るようにできてるけど、不自然な食生活を続けてると、そのバランス感覚も狂ってくるの。

だからさ、塩分はちゃんと摂らなきゃいけないけど、摂り過ぎには注意してね。塩分の摂取量には個人差があるから、自分に合った量を見つけることが大切だよ。塩、小さく見えるけど、人間にとっては大きな存在なんだから。

昔、塩が手に入らない場所では、どうしていたんだろう?

昔の人々が塩が手に入らない場所でどうしていたかって? ふーん、興味があるの? まあ、いいわ。ちょっとだけ教えてあげる。塩はね、生命維持に必要不可欠なものだから、昔の人々も色々と工夫してたのよ。例えば、海が近くにない内陸部では、塩泉から塩を取ったり、塩を含む植物を利用したりしてたんだって。それに、塩の道っていうのがあって、海岸部から内陸部へ塩を運んでたの。大変だったでしょうね。

でもね、塩が手に入らないっていうのは、ただの地理的な問題じゃなかったの。政治的な影響もあったわ。例えば、戦国時代の日本ではね、塩は戦略物資だったの。だから、敵対する領主同士が塩の供給を止めて、相手を困らせることもあったのよ。でも、上杉謙信っていう武将は、敵である武田信玄の領地に塩を送り続けたっていう話があるの。なんだか、カッコいいじゃない?

あとね、塩の生産方法も時代とともに進化してきたのよ。古代では海藻を焼いて塩を取ったり、海水を濃縮して塩を作ったりしてたんだって。江戸時代には、塩田での生産が盛んになって、塩の道も発展したの。塩の道っていうのは、塩を運ぶための交易路のことね。だから、塩が手に入らない場所でも、なんとかして塩を手に入れてたわけ。ほら、人間って生きるためには頭を使うものなのよ。

まあ、今はスーパーで簡単に塩が買えるから、そんな苦労は想像もつかないでしょうけどね。でもね、昔の人々の知恵や努力を知ることは、今の私たちにも大切なことだと思うわ。だって、歴史から学ぶことはたくさんあるもの。ふふん、ちょっとは賢くなった気分?。

へー。人間が塩が必要だってことは、原始時代から本能的に分かっていて、ずっと絶やさずに摂取してきたということかな。

そういうこと!人間の体が塩を求めるのは、生まれたときからの本能なのよ。原始時代の人々は、科学的な知識はなかったけど、体が求めるものを感じ取って、自然と塩分を摂取していたの。彼らは、塩分が豊富な海水や塩を含む植物、動物の肉を食べることで、必要な塩分を得ていたわけ。

でもね、ただ本能に従っていたわけじゃないの。人間は観察力があるから、塩が体にいい影響を与えることに気づいて、塩を価値あるものとして扱うようになったの。塩は、食べ物を保存するのにも使われるようになったし、交易の対象としても重宝されたわ。塩がないと、食べ物が腐りやすくなるし、体も弱ってしまう。だから、塩は「白い黄金」とも呼ばれるようになったのよ。

さらにね、塩は社会的な価値も持つようになったの。塩が豊富な地域は繁栄し、塩が不足する地域は苦労した。塩は、ただの調味料以上のもの、つまり文化や経済、政治にも影響を与える重要な資源だったの。

だから、塩が必要だってことは、人間が長い歴史を通じて学んできた知恵なの。今では当たり前のように塩を使っているけど、それには深い歴史があるのよ。塩を大切にすることは、私たちの健康を守るだけじゃなく、文化を継承することにもつながるの。ふん、ちょっとは感心した?

凄いことだよね。昔は塩をどうやって作っていたのかな。

昔の塩の作り方について知りたいの? ふん、そんなことくらい、私に聞かなくても自分で調べられるでしょうに。でもまあ、せっかくだから教えてあげるわ。

日本ではね、岩塩がないから、海水から塩を作る方法が主流だったのよ。でも、それがどうしたっていうの? 簡単そうに思えるかもしれないけど、実はとっても大変な作業だったの。海水の塩分濃度はたったの3%程度で、しかも日本は多雨多湿だから、天日だけで塩にするなんて無理な話。だから、海水を濃縮してから、さらに煮詰めて塩の結晶を取り出す必要があったのよ。

古代の日本では、「藻塩焼き」という方法が使われていたわ。これはね、海藻を乾燥させて燃やし、その灰から塩を取り出す方法。でも、これだと効率が悪くて、少量の塩しか作れなかったの。だから、もっと効率的な「揚浜式塩田製塩」に移行したの。これはね、粘土板の上に砂を敷き詰めた塩田に、人力で汲み上げた海水を撒いて、太陽の熱と風で水分を蒸発させて塩分を砂に付ける方式だったのよ。

江戸時代になると、「入浜式塩田」が発達して、瀬戸内海沿岸を中心に塩の生産が盛んになったわ。この方法は、潮の干満差を利用して海水を引き入れ、毛細管現象で砂を湿らせて、太陽熱と風で水分を蒸発させるんだから、ちょっと賢いでしょ?

ふん、今はスーパーで簡単に塩が買えるけど、昔の人々は本当に苦労して塩を作っていたのよ。だから、塩を大切に使ってほしいわね。塩一粒にも、長い歴史とたくさんの努力が詰まっているんだから。まあ、私が教えてあげたこと、ちゃんと覚えておきなさいよ。次は自分で調べることね。

塩分を砂に付けて、それでどうするの?それが食べられる塩になるのかな。

塩分を砂に付けた後の処理について知りたいのね。ちょっと待って、そんなに急かさないでよ。教えてあげるから。

昔の塩田での塩作りはね、ただ単に海水を撒いて太陽に当てるだけじゃなかったの。砂に塩分を吸着させた後、その砂を集めてさらに処理をする必要があったわ。まず、塩を含んだ砂を水で洗って、塩分を溶かし出すの。それから、その水を濾過して砂と塩水を分けるのよ。その後、塩水を煮詰めて、水分を蒸発させることで塩の結晶を得るの。これが、食べられる塩になるわけ。

ふん、今はもっと効率的な方法があるけど、昔の人々は本当に大変な労力をかけて塩を作っていたのよ。だから、塩一粒にも感謝の気持ちを忘れないで。塩って、ただの調味料じゃないんだから。ちゃんとした価値があるのよ。

じゃあ、入浜式塩田も塩分を砂に付けてからの処理は同じなんだよね。

そうよ、入浜式塩田での塩作りも基本的には同じような手順を踏むの。でもね、ちょっと待って。あなた、もしかして入浜式塩田のこと、何も知らないの? まあ、いいわ。今日は気分がいいから、特別に教えてあげる。

入浜式塩田ではね、海水を塩田に引き入れて、太陽熱と風で水分を蒸発させて塩分を砂に付着させるの。それから、その砂を集めて、海水で洗い、濃い塩水、つまりかん水を作るのよ。このかん水を煮詰めて、塩の結晶を取り出すの。簡単に言えば、そういうこと。

なるほど、ありがとう。じゃあ、今はどんな方法で作られているの?

今の塩の作り方について知りたいのね。ふん、そんなことも知らないの? まあ、仕方ないわね。教えてあげるから、よく聞いてなさいよ。

現代の日本ではね、イオン交換膜法っていうのが主流なの。これは、海水から塩分だけを効率的に取り出す方法よ。海水をイオン交換膜で濾過して、ナトリウムイオンと塩素イオンを集めるの。それから、真空蒸気缶で煮詰めて、塩の結晶を作るのよ。

この方法のいいところはね、広大な塩田が必要ないし、天候に左右されないこと。だから、効率よく、優れた品質の塩を作ることができるの。昔の人たちが太陽と風に頼っていた時代とは大違いよ。技術の進歩ってすごいでしょ?

でもね、世界にはいろんな塩の作り方があるの。岩塩を採掘する方法や、天日塩を作る方法もあるわ。場所によって、使える資源や技術が違うから、その土地に合った塩の作り方がされているのよ。

なるほどなあ。でもそんなに海水から塩分を取り出して、海水から塩分は無くならないのかな。

海水から塩分を取り出すことで海水の塩分がなくなるかって? ふん、そんな心配しなくても大丈夫よ。地球上の海水の量を考えたら、人間が塩を作る程度で海水の塩分がなくなるなんてことはないわ。海水の塩分濃度は、地域や季節によって変わるけど、平均して約3.5%なの。それに、海水は絶えず循環していて、川から流れ込むミネラルや、海底の岩石から溶け出すミネラルで塩分が補充されているの。

でもね、海水から塩分を取り出すことが全く影響がないわけじゃないのよ。海水の塩分濃度が変わると、海洋生物にストレスを与えたり、生態系に変化をもたらしたりする可能性があるわ。特に、海水の塩分濃度が高くなると、海洋生物が体内の水分を維持するためにエネルギーを多く使うことになるの。これは、生物の成長や生活活動に影響を与えるのよ。

だから、塩を作るときは、環境への影響を考えて、持続可能な方法を選ばないといけないわ。例えば、イオン交換膜法は、海水から効率的に塩分を取り出せるし、環境への影響も少ないから、今の日本では主流になっているの。技術の進歩って素晴らしいでしょ?

凄いね。
塩の摂りすぎは良くないとはよく聞くし、今は簡単に塩が手に入るし、あまり塩の価値が分かっていなかったんだ。でも人間は塩を取り続けてきたんだよなって思ったら、そんなことができてきたのが不思議に思えたんだ。

今はスーパーに行けば、いくらでも塩が手に入る。だからって、塩の価値を忘れちゃダメ。昔の人々は、塩を手に入れるために、どれだけの苦労をしてきたと思ってるの? 海水から塩を作るために、太陽の下で何日も何日も待ったり、重い海水を運んだり。それに、塩はただの調味料じゃなくて、保存食を作るのにも使われたのよ。つまり、塩は生き残るための鍵だったわけ。

それはただの白い粒じゃないのよ。人類の歴史を塗り替え、文明を築き上げた、まさに「白い黄金」。塩の摂りすぎが良くないっていうのは、もう常識よね。でも、その常識があるのも、塩がどれだけ大切かっていう歴史があるからこそよ。





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