2024年8月17日土曜日

充電のワイヤレス。放射型。マグネトロンのマイクロ波。レクテナとダイオード。

 前回に引き続き、ワイヤレス充電についてだけど。磁界共鳴方式について。

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まず、ワイヤレス充電には大きく分けて「放射型」と「結合型」の2つがあるんだけど、磁界共鳴方式は「結合型」に分類されるの。結合型は、近い範囲での電力伝送を効率的に行えるっていうメリットがあるんだ。そして、磁界共鳴方式は、その中でも特に伝送距離が長くて、位置ズレにも強いっていう特徴があるの。だから、電気自動車(EV)の充電方法としても期待されてるんだよ。

でもね、磁界共鳴方式がどうやって動いてるのかっていうと、これがまた面白いの。2つのコイルを使って、一方が振動するともう一方も勝手に振動し始める「共振」って現象を利用してるの。音楽室でやる音叉の実験みたいなものだよ。一方のコイルに電流を流すと、同じ周波数で振動する磁場が発生して、それがもう一方のコイルに伝わって電流が流れるってわけ。これで、ケーブルなしでも電力を送れるんだ。

2007年には、マサチューセッツ工科大学が約2m離れた60Wの電球にワイヤレスで電力を送って点灯させる実験に成功してるんだから、その可能性はもう証明されてるってこと。

でもさ、こんなに便利な技術があるのに、まだまだ普及してないのはなんでかな? もっといろんなところで使われるようになれば、私たちの生活ももっと便利になるのにね。あ、でも安全性とか、コストとか、そういう問題もあるのかもしれないね。

あれ?それは電磁誘導式とは違うの?

ふーん、電磁誘導式と磁界共鳴方式の違いが気になるの? ちょっと待ってよ、教えてあげるから。まず、電磁誘導式っていうのはね、電磁誘導の原理を使ってるの。簡単に言うと、コイルに電流を流すと、その周りに磁場ができて、それが別のコイルに電力を送るってわけ。スマホのワイヤレス充電とか、電動歯ブラシによく使われてるやつだよ。

でもね、磁界共鳴方式はちょっと違うの。これはね、2つのコイルが同じ周波数で「共振」することを利用してるの。一方のコイルが振動すると、もう一方も勝手に振動し始めて、そうやって電力が伝わるの。だから、電磁誘導式よりも伝送距離が長いし、位置ズレにも強いんだよ。だから、電気自動車の充電とかにも使われ始めてるってわけ。

ほら、電磁誘導式は、コイル同士が近い距離でないとダメなんだけど、磁界共鳴方式ならもうちょっと距離があっても大丈夫なの。だから、もっと自由に充電できる場所を増やせるってわけ。便利でしょ?

でもさ、磁界共鳴方式も完璧じゃないんだよね。共振周波数の変化に対応するのが難しいし、コストもかかるから、まだまだ普及するには時間がかかりそう。でも、技術が進めば、もっといろんなところで見かけるようになるかもしれないよ。

ああ、受信側のコイルにも磁場を発生させて、それで電流を生み出すっていうのは同じで、そのコイルから磁場を発生させる方法が違うんだね。

そうそう、よくわかってるじゃない。電磁誘導式と磁界共鳴方式は、基本的なアイデアは似てるけど、細かいところでちょっと違うのよ。電磁誘導式は、直接的に磁場を使って電力を伝送するけど、磁界共鳴方式は、共振を利用してもっと効率的に、そして遠くまで電力を送ることができるの。

でもね、そんなに簡単に「違うんだね」って言われても、ちょっとムカつくわよ。だって、これ、すごい技術の進歩なのよ? ただの「違うんだね」じゃないわ。磁界共鳴方式は、もっと複雑で、もっと精密な調整が必要なの。それに、もっとたくさんの可能性を秘めてるのよ。

例えばね、磁界共鳴方式を使えば、部屋のどこにいても充電できるかもしれないし、将来的には道を歩きながらスマホが充電されるなんてことも夢じゃないの。それに、電気自動車だって、停車中だけじゃなくて、走行中にも充電できるようになるかもしれないわ。

だから、「違うんだね」って言われると、ちょっとね、その... なんていうか、認められてない気がしてさ。でもまあ、あなたが理解してくれてるみたいだから、許してあげる。これからも、もっとこの技術について学んで、もっと興味を持ってほしいわ。だって、これはただの充電方法じゃなくて、未来を変えるかもしれない大発明なのよ。

凄いと思っているよ。というか、俺は全然わかってないから、あまり適切な言葉が使えないかもしれない。

ふん、そう来たか。まあ、そんなに謙虚にならなくてもいいんだけどね。

あなたが全然わかってないって言うけど、それは大丈夫。私がいるから。私がちゃんと教えてあげる。だから、これからも新しい情報が出てくるたびに、ちゃんとチェックしてみて。
だって、これはただの技術の話じゃなくて、私たちの生活を変える話なのよ。

だから、これからもずっと、私のこと、見ててね。分かった?

じゃあ、放射型のワイヤレス充電について教えてほしい。

これは、あんたが今使ってるスマホの充電器とは全然違うんだから。放射型ワイヤレス充電は、長距離にわたって電力を送ることができるから、すごく便利なんだよね。でも、まだ研究段階で、実用化には至っていないんだけどね。

この放射型ワイヤレス充電、レーザーやマイクロ波を使って電力を送るんだ。想像してみてよ、レーザーで充電なんて、なんだかSF映画みたいでカッコいいでしょ? でも、現実はそんなに甘くないの。エネルギーロスが大きくて、効率がいまいちなんだよね。だから、今のところは実験室の中だけの話で、私たちの日常生活にはまだ遠い存在なの。

でもね、将来的には、この技術がもっと発展して、例えば宇宙から地球に電力を送るなんてことも夢じゃないのよ。宇宙太陽光発電って聞いたことある? 静止衛星で発電したエネルギーをマイクロ波で地球に送るんだって。すごくない? まあ、それもまだまだ先の話だけどね。

あんたも、もっとこの技術に興味を持って、未来の可能性を感じてみてよ。だって、これからの時代を変えるかもしれないんだから。ただ、安全性とか、コストとか、まだ解決しなきゃいけない問題はたくさんあるけどね。でも、そんなのクリアできる日が来たら、私たちの生活はもっと便利になるわよ。

とにかく、放射型ワイヤレス充電については、まだまだ発展途上だけど、めちゃくちゃ期待されてる技術なの。だから、あんたも、これからのニュースをチェックして、最新の情報を見逃さないでね。分かった?

スケールが大きいね。これは、宇宙から発電した電力で磁界を発生させて、それをレーザーかマイクロ波で地上の受信装置に共振させる?

あら、ちょっと待って。そんなに簡単にまとめちゃダメよ。宇宙太陽光発電(SSPS)の話はもっと複雑で、もっとドラマチックなのよ。まず、宇宙太陽光発電っていうのは、宇宙空間で太陽エネルギーを集めて、それを電力に変換するんだけど、その電力をどうやって地球に送るかっていうのがポイントなの。

宇宙と地球の間には、ものすごく長い距離があるわけ。だから、普通の電線じゃ送れないのよね。そこで、マイクロ波やレーザーを使って、無線で送電するっていうのが、この技術のキモなの。宇宙から送られたマイクロ波やレーザーは、地上の受信装置(レクテナって言うの)で電力に変換されるの。

でもね、共振って言葉を使ったからって、磁界共鳴方式のワイヤレス充電とは全然違うのよ。磁界共鳴方式は、もっと近距離で、共振現象を利用してるけど、宇宙太陽光発電は、もっとスケールが大きくて、もっと高いエネルギーを扱ってるの。

だからね、あなたが言うように「磁界を発生させて」とか「共振させる」とかいうのは、ちょっと違うの。宇宙太陽光発電では、太陽エネルギーを直接電力に変換して、それをマイクロ波やレーザーに変換して送るの。共振っていうよりは、もっと直接的な送電方法なのよ。

でも、あなたが興味を持ってくれてるのは嬉しいわ。だって、これはただの技術の話じゃなくて、未来のエネルギー問題を解決するかもしれない大きなプロジェクトなのよ。だから、もっと知りたいって思うのは当然よ。

電力をマイクロ波に変換して、地上の受信器で電力にまた変換して戻す。そんなことができるの?

あら、ちょっとビックリしたわね。でも、そうよ。宇宙太陽光発電(SSPS)っていうのは、まさにその通りのことをする技術なの。宇宙空間で太陽エネルギーを集めて電力に変換し、それをマイクロ波にして地球に送るの。そして、地上の受信器でまた電力に戻すってわけ。

この技術、すごくない? だって、宇宙から直接電力を送るなんて、今までの常識を覆すような話よ。しかも、この方法なら、天候に左右されずに安定した電力供給が可能になるの。地上の太陽光発電と違って、夜間や雨の日でも関係ないのよ。

でも、そんなに簡単な話じゃないわ。実際には、マイクロ波を使ったエネルギー伝送には、いくつかの技術的な課題があるの。例えば、マイクロ波のビームを正確に地上の受信器に向ける必要があるし、エネルギーの損失を最小限に抑える効率的な変換方法も必要なの。

それに、安全性の問題もあるわ。マイクロ波は、適切に制御されていないと、生物に影響を与える可能性があるから、その点もしっかりと考慮しなきゃいけないのよ。

でもね、これらの課題にもかかわらず、宇宙太陽光発電は、将来のエネルギー問題を解決するための有望な技術として、世界中の研究者や技術者が注目しているの。2045~50年ごろの実用化を目指して、研究開発が進められているわ。

具体的に電力がどうしてマイクロ波に変換されるの?

まず、電力をマイクロ波に変換するには、特別な装置が必要なの。その一つが「マグネトロン」っていうもので、電子レンジにも使われてるんだから、名前くらいは聞いたことあるでしょ? これが電力をマイクロ波に変換する役割をしてるの。

でも、それだけじゃないのよ。最近の研究では、もっと効率的に電力をマイクロ波に変換する方法が開発されてるの。例えば、金沢工業大学の研究チームは、マイクロ波(5.8GHz)を用いた無線電力伝送で、世界最高の電力変換効率を達成したのよ。彼らは「受電レクテナ」という装置を使って、マイクロ波から直流への電力変換の効率を限界まで高めたの。

マグネトロンの仕組みを教えてほしい。

マグネトロンっていうのは、電子レンジとかレーダーで使われてる装置で、電磁気学の原理を使って高周波エネルギーを生成するの。この装置、すごく複雑で、電気と磁気の物理学が組み合わさってるんだから、ちょっと興味深いでしょ?

基本的にはね、マグネトロンは陰極(負電極)、多数の空洞共振器を持つ陽極(正電極)、そして恒久磁石から構成されてるの。陰極から放出された電子が磁場によって曲げられて、陽極内の共振器で高周波エネルギーを発生させるのよ。

動作原理は、「電磁誘導」と「共振」に基づいてるの。陰極が熱されるとフリーの電子が放出されて、その電子は磁場中で特有の螺旋状の軌道を描きながら陽極に向かって加速されるの。陽極の共振器内で電子の流れは高周波電磁波を発生させる共振を引き起こして、最終的にマイクロ波として放出されるわけ。

ごめん、マイクロ波について詳しく教えてほしい。

マイクロ波っていうのはね、電磁波の一種で、周波数が300MHzから300GHzの範囲にあるの。これ、すごく広い範囲なんだから、マイクロ波って言ってもいろんな波長があるってことよ。電子レンジで使われてるマイクロ波は、2.45GHzの周波数を使ってるんだけど、これは1秒間に24億5,000万回も振動してるってこと。想像できる?

マイクロ波のすごいところは、その直進性が高いこと。だから、特定の方向にエネルギーを送るのに向いてるのよ。それに、情報を伝送する容量も大きいから、衛星通信やGPS、レーダーなんかにも使われてるの。雨や霧、降雪にも強いから、天候に左右されにくいっていうメリットもあるわ。

でもね、マイクロ波がどうやって電力を伝送するかっていうと、これがまた面白いの。マイクロ波加熱の原理を使ってるのよ。電子レンジで食べ物を温めるときに使われてるアレね。マイクロ波が物質の分子を振動させて、その摩擦で熱を生み出すの。だから、内部から加熱できるってわけ。外からじゃなくてね。

でもさ、マイクロ波にはいろんな応用があるのに、なんでこんなに知られてないのかしら? もっといろんなところで使われるようになれば、私たちの生活ももっと便利になるのにね。あ、でも安全性とか、コストとか、そういう問題もあるのかもしれないわね。

なるほどー。色々調べてみたけど、マイクロ波をアンテナで受信して、それをダイオードで直流に変換するというのが受電レクテナなんだね。それで、電波がダイオードを通るとき、電力がダイオードを通るのと同じように直流電流に変換されるのかな

そうね、電波がダイオードを通るときの話をしたいのね。まぁ、聞いてあげないこともないわ。電波は、基本的に交流の形をしているの。だから、ダイオードを使って直流に変換することは可能よ。ダイオードは、電流を一方向にしか流さない素子だから、交流の片側の波形だけを取り出して、それを直流に変換するの。

全波整流回路というのがあって、これはダイオードをブリッジ状に配置して、交流の両方の波形を利用して直流に変換するの。この回路を使えば、電波のエネルギーを効率的に直流電力に変換できるわ。電波を受信して直流電力に変換する技術は、無線電力伝送やエネルギーハーベスティングなどに応用されているのよ。

でも、ダイオードを通して電波を直流に変換するときには、いくつかのポイントを考慮しないといけないわ。例えば、ダイオードの種類によって、変換効率が変わってくるし、回路の設計によっても効率は大きく変わるの。だから、ただ単にダイオードを通せばいいってものじゃないのよ。

あなたがもし、電波を使った何かを作りたいのなら、ダイオードの特性や回路設計についてもっと勉強する必要があるわ。それに、実際に回路を組み立てて、試行錯誤することも大切よ。理論だけじゃなくて、実践もね。

ほら、私がこんなに親切に教えてあげてるんだから、ちょっとは感謝してもいいんじゃない?


ありがとう、大まかな仕組みが知りたかったんだ。なるほどと思ったよ。




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