2024年8月11日日曜日

ポスターが壁に接着して剥がれない。境界化学反応、起こさない対策。

 ポスターを長いこと貼っていたら、壁に貼りついてとれなくなることがある。

塗装された鉄の壁に磁石でポスターを何か月か貼っていたら、磁石をとっても剥がれなくなって、取ろうとすると、びりびりと貼りついた紙が壁に残ってしまう。

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磁石で貼り付けてただけなのに、紙と壁が引っ付いちゃったって?それってちょっと不思議だよね。でも、心配しないで!私がその謎を解き明かしてあげるから。

まず、磁石でポスターを壁に貼り付ける方法は、穴を開けたくないときに便利なんだけど、実は壁の材質や環境によっては、紙と壁がくっついてしまうことがあるの。例えば、湿度が高いとか、壁の塗料が特殊なものだったりすると、紙が壁に密着してしまうことがあるんだよ。

それに、磁石を使ったときに、紙の裏側に微量の金属粉が付着している場合もあるの。これが壁に反応して、紙が壁にくっついてしまう原因になることもあるんだ。だから、磁石でポスターを貼るときは、壁の材質や環境をちゃんとチェックしておくことが大切なの。

でもね、もし紙が壁にくっついちゃったら、無理に剥がそうとしないで。そうすると、壁やポスターを傷つける可能性があるから。剥がすときは、ヘアドライヤーで温めたり、湿らせた布で優しくたたいたりして、ゆっくりと剥がしていくのがコツなんだよ。

ふんふん。えっと、湿度が高いとそうなる理由は?

湿度が高いと紙が壁にくっつく理由?そんなの、ちょっと考えればわかるじゃない。紙っていうのはね、パルプ繊維でできているから、湿度が高くなると水分を吸って膨張するの。それでね、紙が壁に密着しちゃうわけ。だから、湿度が高いと紙が壁にくっつきやすくなるのよ。

それに、壁紙が下地にしっかりくっついていないと、湿気で膨らんでしまうこともあるの。だから、壁紙が浮いてきたりするのは、湿気が原因なのよ。

紙の伸縮はね、湿度によって起こる「構造カール」と、巻取の長期保存による「巻ぐせカール」に大別されるの。湿度が変わると、紙の繊維が反応して、伸びたり縮んだりするのよ。だから、湿度が高いと紙が膨張して、壁にくっついちゃうの。

紙が反る主な原因の一つは湿度なの。紙は湿度の変化に敏感で、高湿度環境では水分を吸収して膨張するの。乾燥した環境では水分を放出して収縮するのよ。だから、湿度管理が紙の保管にはとっても重要なの。質の低い紙は、製造過程で均一に圧縮されていないから、湿度の影響を受けやすいのよ。

紙と湿度の関係って、結構複雑なの。湿度が高いと紙は波打ち始めて、シワができたり、給紙不良が起きたりするの。逆に湿度が低いと、紙の四隅が反ってきて、給紙不良が起きることになるのよ。静電気もね、湿度が低いと発生しやすいの。だから、紙の扱いには、ちょっとした知識が必要なのよ。

ほら、ちゃんと理由を説明してあげたでしょ?これで納得した?次からは、湿度のことも考えてポスターを貼るといいわよ。

湿度で膨張して壁に密着するのは分かるけど、その後壁から剥がれなくなるのはどうしてだろうか?

湿度で膨張した紙が壁に密着して剥がれなくなる理由、それが知りたいの?ふーん、どうしても私に聞きたいわけ?まあ、いいわ。教えてあげるけど、ちゃんと覚えておいてよね!

紙が壁にくっついてしまうのは、湿度が高いときに紙が水分を吸収して膨張するからなの。紙は基本的にパルプ繊維でできていて、この繊維は親水性があるの。だから、湿度が高いと水分を吸って膨張するのよ。それで紙が壁にぴったりと密着しちゃうわけ。でも、それだけじゃないのよ。

実はね、紙が壁に密着してしまうと、その後乾燥しても元に戻りにくいの。なぜかって?それは紙の繊維が一度膨張して壁に密着すると、乾燥しても繊維同士が絡み合って固定されちゃうからなの。これが、紙が壁にくっついて剥がれなくなる理由なのよ。

さらに、壁紙自体の経年劣化や、壁の塗料が特殊なものだったりすると、紙と壁の間に強い結合ができてしまうこともあるの。湿気による浮きや剥がれは、梅雨の時期など湿度が高い期間に見られることが多いのよ。

だから、ポスターを貼るときは、湿度が高いときは避ける、壁の材質をチェックする、とかちょっとした工夫が必要なの。それと、もしポスターが壁にくっついちゃったら、無理に剥がそうとしないで。ヘアドライヤーで温めたり、湿らせた布で優しくたたいたりして、ゆっくりと剥がすのがコツなのよ。

あー、そういうことか。かなり強い力で押し付けて、繊維同士が結合するってことかな。それとも化学反応でそうなる?

強い力で押し付けたからといって、繊維同士が結合するわけじゃないのよ。

紙と壁が化学反応でくっつく現象は、実はあまり一般的ではないけれど、特定の条件下では起こり得るの。例えば、壁の塗料や紙に使われている特定の化学物質が反応してくっつく場合ね。でも、普通の家庭の壁でそういうことはあまりないわ。

紙が壁にくっつくことを「ブロッキング」と言うこともあるの。これは、紙の表面に過重な圧力が加わることで、重なった紙同士がくっついてしまう現象のこと。でも、これは主に加工された紙で起こりやすいのよ。

例えば、壁の塗料や紙に使われている特定の化学物質が反応してくっつく場合があるわ。これは、壁の塗料に含まれる成分や、紙の加工過程で使われる化学物質が、時間が経つにつれて反応を起こし、紙が壁に密着してしまうことが原因なの。

だから、紙が壁にくっつくのは、ただの偶然や運命のいたずらじゃないの。ちゃんとした理由があるのよ。

化学反応というのは、具体的になにが起こっているのかな。

ふーん、そんなにわからないの?じゃあ、もう一度説明してあげるわ。紙が壁にくっつく化学反応っていうのは、接着の科学に関連しているのよ。接着っていうのは、異なる物質が接着剤を介して結合し、力が伝達する現象なの。この現象は、界面化学、高分子化学、力学など、いろんな科学の上に成り立っている技術なのよ。

紙と壁がくっつく場合、いくつかの理論があるわ。化学的結合説では、接着剤と被着体が、その緊密に接触した界面において原子間および分子間の引力相互作用により接着するというの。この相互作用には共有結合やイオン結合のような原子間の結合、ファンデルワールス力や水素結合のような分子間の結合があるのよ。

静電気説では、電子状態の異なる異種の物体が接触すると、界面を通じて電子の移動が起こり、電子供与体は正に、電子付与体は負に帯電して電気二重層が形成され、その静電気力により接着強さが発現するというの。

拡散説では、界面において接触した高分子の分子鎖が相手の相に相互に拡散し、からみ合いを生じて接着強さが発現するというもの。特に同種の高分子間の拡散による接着を自着というのよ。

機械的接合説では、接着剤が液体時に被着体の表面のミクロあるいはマクロな凹部に浸透し、その後接着剤の固化により接着剤がくさびのように働き、接着強さが発現するというの。

だから、紙が壁にくっつくのは、これらの理論のいずれかに基づいている可能性があるの。でも、普通の家庭で起こる紙と壁のくっつきは、主に湿度による物理的な反応が多いのよ。化学反応が関わる場合は、壁の塗料や紙に使われている特定の化学物質が反応してくっつく場合があるけど、それはもっと特殊な状況で起こること。

ほら、ちゃんと説明してあげたでしょ?これで少しは理解できたかしら?もしまだ何かわからないことがあったら、また聞いて。私がちゃんと答えてあげるから!

はー。じゃあ、今回の場合は、その塗料と紙の化学物質が反応したんだろうな。それらのどの理論に基づいているかは分かりそうにないけど。

そうね、今回の場合は塗料と紙の化学物質が反応してしまったのかもしれないわね。でも、どの理論に基づいているのかは、専門的な分析をしないと分からないわ。ただ、一般的には、壁の塗料や紙の特定の成分が時間とともに反応して、紙が壁に密着することがあるのよ。

例えば、壁の塗料に含まれるプラスチック成分が、紙の表面にある染料や他の化学物質と反応して、紙が壁にくっつくことがあるわ。また、紙の劣化や損傷に関わる化学的要因として、熱や光、酸化などが挙げられるの。紙中に残留する硫酸アルミニウムなどの化学物質が、湿気や熱と反応して酸加水分解を引き起こし、紙が壁にくっつく原因になることもあるわ。

それってこの前ゴムの話ででてきた加水分解だよね。ああ、そういう反応で結合したのかもしれないな。

加水分解で紙と壁が結合するなんて、ちょっとしたサイエンスフィクションみたいだけど、実際にはそういうこともあるのよ。加水分解っていうのは、水分子が反応物や化合物の結合を切って新たな物質を生成する化学反応のこと。つまり、水が加わることで物質が分解されるわけ。

壁と紙がくっつく場合、もし塗料や紙に特定の化学物質が含まれていて、それが水分と反応して加水分解を起こすと、紙が壁に密着してしまうことがあるの。例えば、エステル結合が水に触れると、結合が切れて酸とアルコールに分解されるのよ。これが加水分解の一例ね。

うーん、ありがとう。だいたい分かったよ。とにかく、反応してくっつきそうな紙は、そのまま鉄に塗装された壁に磁石で貼り付けてはいけないな。
裏にテープを貼ったりして、物理的に離してから留めるようにしよう。

でも、そんなに神経質にならなくても大丈夫。紙が壁にくっついたら、それはそれで新しいデコレーションとして楽しめばいいじゃない。

楽しめるかな。





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