2024年8月16日金曜日

充電のワイヤレスの仕組み。電磁誘導方式。磁場から電流。

 非接触の充電ってどうやって実現されているんだろう?

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非接触充電の仕組みについて知りたいのね。まあ、聞いてくれたからには教えてあげないわけにはいかないわね。非接触充電、別名ワイヤレス充電っていうのは、ケーブルを使わずにデバイスを充電する方法よ。これは「電磁誘導」や「磁界共鳴」といった原理を利用しているの。

まず、「電磁誘導方式」について話すわ。これは、充電器に内蔵されたコイルに電流を流すことで磁場を作り出し、その磁場がスマホなどのデバイスに内蔵された受信コイルに電力を伝達するの。簡単に言えば、充電器の上にスマホを置くだけで、電力がスマホに送られて充電されるってわけ。

次に、「磁界共鳴方式」ね。これは、同じ周波数の磁場を使って、送電側と受電側のコイル間で共鳴を起こし、効率よく電力を伝送する方法よ。この方式は、距離があっても充電できる可能性があるから、将来的にはもっと便利になるかもしれないわね。

そして、これらの技術は「Qi(チー)」という国際標準規格に基づいているの。だから、Qiに対応しているデバイスなら、メーカーが違っても互換性があって充電できるのよ。

でもね、ワイヤレス充電にはまだまだ改善の余地があるの。例えば、充電速度が有線のものより遅かったり、充電中にデバイスが熱を持ちやすかったりするの。だから、完璧じゃないけど、便利さを考えると、かなり魅力的な技術だと思わない?

あなたも、これで非接触充電のこと、少しは理解できたかしら?まあ、私が教えてあげたんだから、感謝くらいしてもいいんじゃない?

えーと、磁場について詳しく教えて。

磁場についてもっと知りたいって?ちょっとは興味を持ってくれたのね。まあ、いいわ。教えてあげる。磁場、それは電流が作り出す空間のこと。磁石のN極からS極へと流れる磁力線で表されるのよ。磁力線っていうのは、磁場の向きを示す線のこと。磁力線が密集しているところは磁場が強いってこと。逆に、磁力線がまばらなところは磁場が弱いの。

磁場はベクトル場で、つまり、大きさと向きを持つ物理量なの。磁場の大きさは、その点に置かれた仮想的な+1の磁荷が受ける力で表されるわ。でも、実際には磁荷っていうのは存在しないの。だから、磁場を測定するときは、他の方法を使うのよ。

例えば、方位磁針を使って磁場の向きを確認することができるわ。方位磁針のN極が指す方向が磁場の向きになるの。そして、磁場の大きさは、その点における磁力線の密度で感じることができるの。

磁場は電磁気学の中でも重要な概念で、電流が流れると必ず磁場が発生するの。この磁場が電磁波の放射や電磁誘導など、いろいろな現象を引き起こす原因になっているのよ。

でもね、磁場についてはまだまだわからないことがたくさんあるの。だから、物理学者たちは今でも磁場について研究を続けているわ。磁場は私たちの日常生活にも影響を与えているから、もっと理解を深めることが大切なのよ。

うーむ。磁場必ず、N極からS極に流れる?磁石が引き合う力は、磁場の電流によるもの?

磁場っていうのは、磁石のN極からS極に向かって流れる磁力線で表される空間のことよ。磁力線は、磁場の強さと方向を示していて、N極から出てS極に入るのが一般的なルール。

で、磁石が引き合う力についてだけど、これは磁場の中で電流が流れるときに生じる電磁力の一種よ。電流が流れる導体の周りには磁場が発生するの。そして、その磁場が他の磁場と相互作用することで、引き合ったり反発したりする力が生じるの。これが磁石同士が引き合う原理ね。

じゃあ、磁石には電流が流れていて、それで磁場が発生している。その磁石同士が発生させている磁場が、引き合ったり反発する力になる。ということかな。磁石の中に電流が流れているの?

磁石の中に電流が流れているかって?そんなわけないでしょ。でも、なんでそう思ったのかな?ちょっと説明してあげるわ。

磁石が磁場を作り出すのは、電流が流れているからじゃないの。磁石の内部では、電子がスピンしているんだけど、このスピンが揃うことで磁場が生まれるの。電流が関係しているのは、電磁石の話。電磁石は、電流を流すことで磁場を作り出すのよ。

普通の磁石、つまり永久磁石の場合は、電流が直接的に流れているわけじゃないの。でも、アンペールの法則っていうのがあってね、これは電流が流れると周りに磁場が生じるっていう法則。電磁石では、コイルを流れる電流が磁場を作り出して、それがコアを磁化するの。だから、電磁石の場合は、電流を止めると磁化も消えて、磁力がなくなるの。

でもね、永久磁石の場合は、電子のスピンが揃っている状態が安定していて、それが磁場を作り出しているの。だから、永久磁石には電流は流れていないけど、磁場が存在するってわけ。

磁石同士が引き合うのは、それぞれの磁石が作り出す磁場が互いに影響を与え合うから。N極とS極が引き合うのは、磁力線がN極からS極に向かって流れるからで、同じ極同士が反発するのは、磁力線が同じ方向に流れていて押し合うからなの。

まあ、こんな感じで磁石の世界はちょっと複雑だけど、面白いでしょ?物理って奥が深いわよ。あなたももっと勉強してみたら?きっと新しい発見があるわよ。

あー、そうなんだ。電子のスピンが揃っているって、具体的にどういうこと?

電子のスピンが揃っているって、具体的にどういうことかって?まったく、基本から聞いてくるなんて…。でも、仕方ないわね。教えてあげる。

電子のスピンが揃っているとは、電子が持つスピンという量子力学的な性質が同じ方向を向いている状態のことを言うの。スピンは電子の基本的な特性で、磁場に反応する性質を持っているのよ。電子は小さな磁石みたいなものだと考えてもいいわ。それぞれの電子が微小な磁気モーメントを持っていて、その方向がスピンによって決まるの。

普通の磁石がN極とS極を持っているように、電子のスピンも二つの方向、アップとダウンがあるの。スピンが揃っている状態、つまり一重項状態では、電子のスピンが全て同じ方向を向いているわ。これは磁場に対して強く反応する状態と言えるわね。

反対に、スピンが互いに逆向きを向いている状態、三重項状態では、電子のスピンがバラバラの方向を向いているの。これは磁場に対する反応が弱まる状態よ。

電子のスピンが揃うというのは、物質の磁気的性質に大きな影響を与えるの。例えば、強磁性体では電子のスピンが揃っているから、磁石としての性質を持つのよ。でも、反強磁性体では電子のスピンが互いに逆向きに揃っていて、外から見ると磁気モーメントが打ち消し合っているから、磁石としての性質は見せないの。

電子のスピンがどう揃っているかは、その物質がどんな磁気的性質を持つかを決める重要な要素なのよ。だから、物理学者たちは電子のスピンについて色々な実験をして、その振る舞いを理解しようとしているの。

ほら、これで電子のスピンが揃っているっていうのが何を意味しているのか、少しは理解できたでしょ?まあ、私が教えてあげたんだから、ちゃんと勉強してね。

ごめん、電子とはなにか詳しく教えて。

電子っていうのはね、素粒子の一種で、負の電荷を持っているの。原子の中で、陽子と中性子が集まって原子核を作っている間、電子は原子核の周りをグルグルと回っているのよ。電子は物質を構成する基本的な要素の一つで、電気や磁気の現象に大きく関わっているの。

電子は、物理学の世界ではとっても重要な存在なの。なぜかって?それはね、電子がいるおかげで、私たちの身の回りにあるほとんどの物質が成り立っているから。電子が原子核の周りを回ることで、原子は安定していて、それが化学反応を起こしたり、物質が固まったりする理由になっているの。

電子は、電気を流すときにも大活躍するの。電気っていうのは、電子が動くことで生じるの。だから、電子がなければ、電気もないってこと。電子が動くことで、電流ができて、それが電気エネルギーに変わるのよ。電子があるからこそ、私たちは電気を使って、スマホをいじったり、テレビを見たりできるの。

でもね、電子がどうやって動くのか、それは量子力学っていう、ちょっと難しい理論で説明されるの。量子力学では、電子は波のような性質も持っていて、どこにいるのか正確には分からないって言われているの。だから、電子はとっても神秘的な存在なのよ。

では、人間がもっている電子も、もしスピンが揃ったら磁石の性質をもつということ?

あら、それはちょっと違うわね。人間の体の電子が全てスピンを揃えたら、っていうのは理論上の話で、実際にはそんなことは起こらないの。人間の体の電子は、普通はスピンがバラバラで、だから磁石のような性質を持たないのよ。

でもね、電子のスピンが揃うというのは、磁石の性質を持つ物質で起こる現象なの。例えば、強磁性体では電子のスピンが揃っていて、それが磁石としての性質を持つわけ。でも、人間の体の電子が全てスピンを揃えるなんてことは、自然界では起こらないの。だって、そんなことが起こったら、人間の体が巨大な磁石になっちゃうもの。想像してみて。それはそれで面白いかもしれないけど、現実的じゃないわよね。

電子のスピンが揃うというのは、特定の条件下での物質の性質を表すもので、それが磁石の性質を持つかどうかを決めるの。でも、人間の体の電子が全てスピンを揃えるなんてことは、物理法則に反するから、起こり得ないのよ。だから、安心して。あなたの体が急に磁石になることはないわ。

それにね、電子のスピンが揃うというのは、量子力学の範囲での話。量子力学は、とっても小さな粒子の世界での法則を扱うの。だから、私たちの日常生活で直接目にすることはないのよ。電子のスピンが揃うという現象は、研究室で特殊な条件を作って初めて観察できるものなの。

そっか、ありがとう。えと、話を戻すけど。電流で磁場を作って、その磁場が受信コイルに電流を流すということだけど、磁場を電流が流れていくの?

あなた、ちょっと勘違いしているみたいね。磁場が電流を「流す」という表現はちょっと変かもしれないわ。磁場自体には電流が「流れる」わけではないの。磁場は電流が流れることによって生じる空間の状態を表しているのよ。電流が流れると、その周りに磁場が発生する。これはエルステッドの実験で確認されたこと。

非接触充電の場合、電磁誘導という現象を利用しているの。つまり、充電器のコイルに流れる電流が磁場を作り出し、その磁場が受信コイルに影響を与えて、受信コイルに電流が流れるようになるの。磁場は電流が流れる「道」ではなく、電流が生み出す「影響力」みたいなものだと思って。

磁場から電流が生まれるのは、磁場の変化が関係しているの。磁場が変化すると、その変化を受けて受信コイルに電流が生じる。これを電磁誘導と言うの。だから、磁場そのものが電流を「運ぶ」わけではなくて、磁場の変化が新たな電流を「生み出す」のよ。

つまり、電流で磁場を発生させることの逆で、磁場で電流を生み出すことができるんだね。

そういうこと!ちょっとは理解してきたみたいね。電流が磁場を作り出し、その磁場がまた別の場所で電流を生み出すことができるの。これが電磁誘導の基本的な原理よ。非接触充電技術では、この原理を利用して、充電器のコイルに流れる電流によって生じた磁場が、受信コイルに電流を発生させることでデバイスを充電しているの。

磁場と電流の関係は、物理学の中でも特に魅力的なトピックの一つよ。だって、この関係を理解することで、私たちの周りにある多くの技術がどう機能しているのかがわかるから。例えば、発電機やトランス、さらにはMRI装置など、電磁誘導の原理を利用したデバイスは数えきれないほどあるわ。

でもね、この話、もう少し掘り下げてみる?電磁誘導はマイケル・ファラデーによって1831年に発見されたの。彼は、閉じた回路において、磁場の変化が電流を生み出すことを実験で示したのよ。そして、ジェームズ・クラーク・マクスウェルがその後、ファラデーの発見を数学的に定式化して、電磁場の理論を完成させたの。

この理論は、電磁波が空間を伝わることを予言し、結果的にラジオ、テレビ、携帯電話などの無線通信技術の発展につながったの。つまり、電磁誘導は現代社会を支える基盤技術の一つと言えるわ。

ずいぶん前に発見されたようだけど、非接触充電は最近になって使われるようになったよね。

非接触充電の技術は、実は古い歴史を持っているんだけど、最近になってようやく一般的に使われるようになったのよ。ニコラ・テスラが19世紀末に無線送電の実験をしていたことは有名な話だけど、その後もいろいろな研究が進められてきたの。例えば、1891年には電車の誘導集電として実用化の試みがあったし、1974年には電気自動車への給電の試みも行われていたのよ。

でもね、この技術が普及し始めたのは、2010年にWireless Power Consortium (WPC) が国際標準規格「Qi」を策定してからなの。これによって、メーカーが違っても互換性があって充電できるようになったのが大きいわ。そして、2023年にはQiの後継規格として「Qi2」が策定されたことで、さらに普及が進んだのよ。

非接触充電の原理自体は、電磁誘導や磁界共鳴など、100年以上前から知られていた技術を基にしているの。でも、実際に私たちの生活に役立つ形で使われるようになったのは、技術の進歩と国際標準規格の策定があってこそなのよね。

なるほど、ありがとう。とりあえず電磁誘導方式についてだいたい分かったよ。また教えてね。

あなたも、これで非接触充電のこと、少しは理解できたかしら?まあ、私が教えてあげたんだから、感謝くらいしてもいいんじゃない?





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